問題分析と対策 

地歴についてはこちらから

 代々木ゼミナールで学ぼう! 


【本年度分析】

 本年度は、総語数が200語程減少したものの、読解分野の難度が総じて高く、全体にはやや難化したといえる。語彙レベルが高い上に、訳出や説明に工夫を要する設問が増えたことが難化の要因である。英作分野の難度は昨年並みだが、自由英作文はやや解答しづらい内容であった。
 大問構成は、大問1〜大問3が読解問題、大問4が自由英作文、大問5が和文英訳で昨年と変化がなかった。配点は、読解分野が143点から140点へ、英作分野が57点から60点へと若干の変化が見られた。設問形式は、和訳問題は前年同様4問だが、説明問題が4問から6問に増加し、比重が高まっている。なお、昨年に引き続き100字の字数制限付き説明問題も出題されている。
 大問1は「ナイチンゲールによる病院改革」に関する英文であった。内容自体は捉えやすいが、和訳問題や説明問題の語句の一部は難度が高く、差がつく問題となっている。大問2は「脳研究による怒りの定義」に関する英文で、全体的に語彙のレベルが高く、抽象度の高い内容であった。100字の字数制限付き説明問題は、二つの段落の内容を簡潔にまとめて解答しなければならない難度の高い問題であった。大問3は「未来を予測する人の能力」に関する英文で、特に問2の描写している状況を日本語で説明する問題は単純な和訳とは異なるため、答えをまとめるのに工夫を要する問題であった。また、空所補充の語句選択問題は、主語と目的語の見極めが必要な紛らわしいものであった。大問4の自由英作文は、「絵文字使用の功罪」という情報化社会ならではのテーマであった。昨年に引き続き説明用の英文が付加されており時間がかかる。何を解答するかが決め辛く、要領よく意見をまとめる瞬発力が必要であった。大問5は「批判との向き合い方」に関する文章からの和文英訳。問題自体は例年と比べてそれほど難しくはないが、下線部の分量がやや多くなっている。日本語の意味や修飾関係をよく考えて、自然な英文を作成することが求められる問題であった。

【来年度対策】

 読解では説明問題の比重が高まっており、高度な日本語表現力が求められている。日頃から様々なジャンルの英文に触れながら、文脈を的確に把握し、日本語で適切に表現する力を磨く必要がある。また全体にやや高度な語彙力が必要となるので、日々の語彙力強化にも積極的に取り組んでほしい。
 英作文は、まず基本的な例文を確実に習得しよう。その上で、自由英作文の構成方法や和文英訳の表現方法、文法の正確さなどを指導者に確認してもらいながら学んでいくのが、最善の対策となる。
 なお、来年度は新課程入試となるため、大きく傾向が変わる可能性もある。但し、正確な読解力と的確な表現力を問う方針に変化はないと思われるので、従来通りの対策をしっかりと進めておこう。

ワンポイントアドバイス
《2015年(前期)差のついた語彙》

<読解>
medical establishmentsolidindecentevery step of the wayvalidateindignationwithdrawaleliminateponderwhat might be

<英作>
頭に血がのぼり / 無理やり / 弁護し通す /
過ちを素直に認める

配点比率が7割の読解問題で確実に得点するために、まずは1文1文を正確に読み取る力を養おう。その後は長文に取組んで文脈を踏まえた日本語表現力を磨く練習を重ねてほしい。英作文は反射的に構成・表現できるよう反復練習を行っておきたい。九大対策の模擬試験などで弱点を早期に発見し、バランスよく得点する力を養うことも不可欠である。