問題分析と対策 

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【本年度分析】

 本年度は、全科目とも例年と同様の出題傾向であり、標準問題中心だが応用力を要する問題設定も含む内容であった。
 物理は、標準レベルの典型的な問題が中心であったが、長文で問題設定を把握するのに時間がかかったであろう。化学は思考力を要する問題が増え、複雑な計算や題意をとらえにくいものも出題されたため、難化した。生物は考察力を要する問題が多く論述量が増えたが、煩雑な計算がなくなり、やや易化した。全体的に、試験時間に対して分量が多く、時間配分をうまく行い、題意を素早く正確に把握する実戦力が求められる出題であった。

【来年度対策】

 まず、標準レベルの問題を正確に解く力を養っておくこと。その上で、典型的な問題を用いて十分な演習を行うことが不可欠である。また、難問や見慣れない設問では思考力が試されるため、科学現象が起こるプロセスを理論的に理解しておく必要がある。そのため、発展問題にもできるだけ多く取り組み、科学的思考力を鍛えておこう。
 次に、得点差の生じる計算問題や論述問題を手際よく解答する力をつけることが必要である。物理・化学では計算量が多く複雑なので、問題集や模試などの良問を数多くこなして実戦力の養成を図ってほしい。生物・地学では論述問題の文字数が最小限に設定されているので、ポイントとなる用語を使って簡潔にまとめる練習を重ねておきたい。
 また、新課程と旧課程の学習範囲は全体ではほぼ変わらないので、過去問を解いて傾向を把握しておくことが大切である。
 各科目の出題傾向は、次のようになっている。

《物理》

 数式の結果のみを答える設問が大半だが、導出過程や描図も出題されることがある。大問3題のうち、2題は力学と電磁気からの出題が定着している。力学は問題設定が複雑なケースが多い。また、長文で融合問題の形式が多いので、短時間で整理し、総合的に考える力も必要である。

《化学》

 答のみを記入させる設問が大半を占め、出題分野は全範囲に及ぶ。大問5、6題のうち、有機から2題程の出題で、詳しい知識も問われる。他は理論が多く無機は少ない。理論では、設定が難しい問題や煩雑な計算が多いので、特に滴定、気体、反応速度などの計算問題対策を強化しよう。

《生物》

 例年20~100字程度の論述問題が5~10題ほど出題される。典型問題に加え、教科書外の題材を用いた実験結果や観察から分析・考察させるものもある。出題分野では遺伝が必出で、代謝、反応と調節が頻出。また、各分野の融合問題が多いので、生命現象を総合的に捉える力が必要である。

《地学》

 地学現象の理由説明や計算過程が問われるので、基本概念の十分な理解が必要。地球と気象が必出である。

ワンポイントアドバイス
前期2次試験における理科出題科目
(2016年度入試 九大予告)
学 部 物理基礎
/物理
化学基礎
/化学
生物基礎
/生物
地学基礎
/地学
理・農
医(生科・看護)・歯・薬
医(医)・工
医(放射)・芸術工
医(検査)
(注)①:1科目選択、②:2科目選択、●:必須

理科は150分で2科目を解かなければならないので、時間配分に注意しよう! 模擬試験や過去問集などで、物理・化学の計算量や、生物・地学の論述量に十分慣れておきたい。また、典型的な問題でも出題の趣旨がとらえにくい設問もあるので、問題集などを通して十分な演習を重ね、題意を短時間で把握する力を鍛えておこう!