問題分析と対策 

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【本年度分析】
《 教育・法・経済学部 》

 現代文は、第一問が歌舞伎という受験生に馴染みのないテーマであったことを除けば、どちらの大問も読解するのはそれほど難しくなかった。ただし、本文や解答量が増加していたため、時間が足りなくなった受験生も少なからずいたと思われる。昨年度は例年よりも本文が減少していたが、基本的には本年度並みの分量が出題されると考えておいたほうがよいだろう。
 古文は、鎌倉時代の絵巻からの出題。読解困難なものではないが、昨年度に比べ字数が大幅に増加した。設問は、おおむね標準レベルの難度である。
 漢文も、昨年度に引き続き本文内容は平易なものであり、字数も減少した。設問は客観問題が増え、基礎~標準レベルである。文学史は、唐宋八大家を選択肢から答える得点しやすい問題だった。

《 文学部 》

 現代文は教育・法・経済学部の第一問と、古文2題中の1題は同第三問と、それぞれ同じ。漢文は、教・法・経の問題と本文が共通で、設問数は同じだが内容が異なる。
 文学部単独の古文は、「源氏物語」の有名場面からの出題。本文は読み取りにくい箇所もあったため、この場面を読んだことのある生徒は有利であったと思われる。問六の心情説明の問題は書きづらい。
 漢文は、昨年度よりも設問が減り、内容も平易になった。文学部のみの設問は、制限付き理由説明や現代語訳などで、本年度は文学史の出題が無かった。

【来年度対策】

 記述問題の練習を早期から着手することが肝要となる。できるだけ指導者の添削を受けながら、解答を何度も練り上げていく密度の濃いやり方が望ましい。また、速読・速解の訓練も欠かせない。
 現代文では、意味段落ごとの要約練習が有効だ。解答のポイントが設問箇所から離れたところに書かれている場合も少なくないため、本文全体を意識した上で答えをまとめられるようになりたい。
 古文は、細部にまで注意を払った訳文書きの練習を通して、正確な解釈力を養おう。また、習俗・仏教についての基礎的理解を要する設問や、和歌絡みの問い、文学史などが頻出するので、背景知識の習得、修辞技巧への習熟、文学史の学習にも力を注ぎたい。
 漢文では、重要語と句法をしっかりとマスターした上で、現代語訳と書き下しの練習を怠らないようにしよう。例年、漢文学史の出題も見られる。漢和辞典の巻末付録や国語便覧などを使って、まめに知識を蓄えるようにしたい。字数制限付き記述問題対策としては、個々のポイントをより少ない字数で簡潔に表現する訓練が重要だ。


ワンポイントアドバイス
古文出典ジャンル
年度 全学部共通 文学部単独
11 日 記 俳諧論
12 擬古物語 仮名草子
13 随 筆 御伽草子
14 遊 記 紀 行
15 絵 巻 作り物語

 前述のように速読・速解が求められるが、受験勉強の初期からそれを意識しすぎて的確さを欠いてしまいがちだ。最初のうちは正確さの追求に徹した丁寧な解答を心がけ、ある程度力がついてから、徐々に速さを増していくようにするのが賢明だろう。